2022年6月

さっぱりと茅の輪潜りて厄落す

6月30日

季語・・・名越の祓(はらへ)、茅の輪。
30日は、夏越(なごし)。近所の神社で茅の輪を潜り、穢れを払い、残り半年間の無事を祈願してきました。

石楠花の地の底力見せてをり

6月29日

季語・・・石楠花(しゃくなげ)。
シャクナゲは花が集まって球状に咲くので大きく豪華です。常緑低木ですので「地の底力」と写生してみました。

草刈の芝の匂ひを濃く放つ

6月28日

季語・・・草刈
草刈りしているそばを通ると独特の青臭い匂いが漂います。「濃く放つ」と強調してみました。

一花づつ個性の模様持つさつき

6月27日

季語・・・さつき、五月つつじ。
拙宅のさつきは一花づつ違う模様で咲き続けます。道端で安く売られていたのを購入して植えてみたら予想外の良品に得をした気分で愛でています。

雨粒に枝垂れ鈴薔薇散り初めし

6月25日

季語・・・薔薇(ばら)。
社中展の書作に夢中になっている間に鈴薔薇の花が盛りを過ぎ散ってしまいました。写真を撮るのも遅かったです。「枝垂れ(しだれ)」が写生です。

午後七時夏至の落日朗らかに

6月25日

季語・・・夏至(げし)。
21日は夏至でした。午後7時頃の日の入り(落日)を眺めていたら「朗らか」の言葉が浮かんできました。周りがまだ明るく、子供達も元気に遊んでいたせいかもしれません。

青空を平に受けて山法師

6月24日

季語・・・山法師。
木の表面を覆うように平に咲きます。「青空を平に受けて」と大胆に写生してみました。

白蝶の群舞に風の小休止

6月23日

季語・・・蝶(てふ)。
蝶は風に舞っているのでしょうが、群れていると風を操っているようにも見えます。「風の小休止」と大胆に表現してみました。

色伏せて決して奢らぬ苧環は

6月22日

季語・・・苧環(をだまき)。
花形は伏目がちに咲くので遠慮しているように見えます。人間のように決して奢ったりしません。俳句は花鳥府風詠、自然が最上なのです。

時緩む二人静を見てからは

6月21日

季語・・・二人静(ふたりしづか)。
二人静を跼んでみていると心が静まるというか、気持ちが優しくなります。
「時緩む」と表現してみました。

百合活けて視線和ませ暮しをり

6月20日

季語・・・百合。
森田順子さんからの投稿写真です。
外出も自由に出来ない施設での暮しに彩りを添えて楽しんでいるのでしょう。「視線和ませ」が詩心です。

父の日を忘れてをりし父の背中(せな)

6月19日

季語・・・父の日。
父の日を忘れている背中とは、休みなく働いている父の姿が見えます。忘れているより意に介していないのでしょう。昭和の父親でしょうか。

新聞を楯に父の日やり過す

6月19日

こちらは平成の父親か、新聞を読んでいるようにして家族の動行を窺っている。プレゼントでも期待してるのかな。

雨に濡れし笛の音届く神輿渡御

6月18日

季語・・・神輿(みこし)、渡御(とぎょ)。
北海道神宮例祭(札幌まつり)最終日の16日、伝統行事「みこし渡御」が3年ぶりに行われ、伝統衣装に身を包んだ計約760人が市内を練り歩いた。あいにくの雨だったので「雨に濡れし笛の音」と印象づけました。

根を張りてここが定位置錨草

6月18日

季語・・・錨草(いかりさう)。
錨は船を停留させておくもの。そこからの連想で「根を張りて」が表出されました。

金魚草空へ重なり揺れ泳ぐ

6月17日

季語・・・金魚草(きんぎょさう)。
金魚草は金魚に似た形の花が上へと重なって咲いてゆきます。「空へ重なり」と大胆に表現して「揺れ泳ぐ」と写生しました。

大木の日蔭麗し射莪の花

6月16日

季語・・・射莪の花(しゃがのはな)。
日当たりより日陰の似合う花です。葉形もすっきりとして格調のある姿です。「日陰を麗しい」と詠ませてもらいました。

ヨサコイのソーラン祭り壁越しに

6月15日

季語・・・祭(まつり)。
12日、高木先生の教室があり、大通公園を通りました。沿道から見えないようにバリケードを立て、幕を張っていました。有料席だけが観覧できるとか。「壁越しに」の表現になりました。

日を弾く矢車草の細やかさ

6月14日

季語・・・矢車草(やぐるまさう)。
矢車草の葉っぱがこいのぼりの竿についている矢車に似ているのでこの名がつきました。花の形、色は多種あるようですが、ここでは細やかな白い花形を詠んでいます。「日を弾く」が創意。

砂に生命の源 はやぶさ2

6月13日

小惑星探査機「はやぶさ2」がリュウグウで採取し、地球に持ち帰った砂や石から生命の材料となるアミノ酸が23種検出された。
地球の生命誕生前、隕石などで生命の材料が運ばれたという説の証拠になるという。10日には、大量の水が含まれ、海の起源を探る手がかりになる成果だという論文も発表された。

樹の影を下に伸ばしてさがり藤

6月13日

季語・・・藤。
昇り藤はルピナスのことですが、「さがり藤」という花名は無いと思います。「キングサリ」はまさにさがり藤。「影を下に伸ばす」が写生です。

父母の愛運動会に集(つど)ひ坐(ざ)す

6月12日

季語・・・運動会(うんどうくわい)。
各校で運動会が催されています。近くの小学校は悪天候で2度延期したらしく、先週の土曜日に行っていました。感染予防対策で2学年ずつに分け短時間で終え、見学者も立って応援していました。揚句は昔のままですね。

ざわめきの闇の人波来る夜店

6月11日

季語・・・夜店(よみせ)。
近くの神社で例大祭を行っていて隣の境内で少ないですが露店が出ていました。感染予防なのか暗くなる前の7時過ぎには店じまいして閑散としていました。「闇の人波」は昔の風景ですね。

風叩く仕草に見えて大でまり

6月10日

季語・・・大でまり。
大でまりの花は重いので弱い風では動きません。強い風に煽られ弾ける様を「風叩く」と表現しました。

躑躅散る地を鮮かに広げゐる

6月10日

季語・・・躑躅(つつじ)。
つつじは散っても暫くは色褪せなく地が彩っています。「地を鮮かに広げている」が写生です。

けん玉は老化防止や霞草

6月9日

季語・・・霞草(かすみさう)。
会員の森田順子さんからまた写真が送られてきました。お嫁さんが老化防止にと「けん玉」を贈ってくれたとのこと。背後の霞草みたいのを季語にして詠んでみました。

山裾に人を広げて芝桜

6月9日

季語・・・芝桜(しばざくら)。
丘陵に芝桜を植え、観光地にしている所は全国各地にあります。結構人気で沢山の人が訪れています。「人を広げて」が写生です。

釣鐘の水仙賑やかなブルー

6月8日

教室にも活けてもらいました。釣鐘水仙(スパニッシュ・ブルーベル)。長い開花も終わり種をつけだしています。「賑やかなブルー」と表現してみました。

密集の色は強くて花蘇枋

6月8日

季語・・・紫荊、花蘇枋(はなずはう)。
蘇枋の花の色は赤紫なのでしょうが密集しているので深く奥行のある赤です。ここでは「強い色」と断定した表現にしました。

燃え尽きず 進化続ける

6月7日

4日、テニスの全仏オープンの車いす部門男子シングルスで国枝慎吾選手が4年ぶり8度目の優勝を飾った。昨年の東京パラリンピック金メダル獲得後に「燃え尽き症候群」でやめようと思ったが、1月の全豪オープンで手応えを感じ、向上心が戻ってきた。

九輪てふ草丈をもつ桜草

6月7日

季語・・・桜草(さくらさう)、プリムラ。
桜草の一種で九輪草と言います。細い茎に九輪はないと思うが沢山、花弁が付いています。「てふ」(というの文語)、「草丈」が写生です。

取り込めば籠る風音姫空木

6月6日

季語・・・空木(うつぎ)、卯の花。
花が空洞の形態をしているのでこの名がある。陰暦四月の代表的な花で卯月(うづき)とも言う。香りのよい花です。「風を取り込む」と大胆な表現にしてみました。

戦争の報道続くリラの冷

6月5日

季語・・・リラ冷え。
ここ一週間程、気温が低く「リラ冷え」の季語がぴったりの寒さです。報道では戦争の悲惨さを伝えており心身共に震えます。

蝶々の舞ふ風軽ろく吹き迷ふ

6月4日

季語・・・蝶(てふ)。
揚羽のような夏蝶も飛び回っています。「軽ろく吹き迷ふ」ここが読み所です。紋白蝶が予測出来ない舞い方をしているそして風にも迷いがある。これが創意です。

草叢(むら)の十二単の佇まひ

6月3日

季語・・・十二単(じふにひとへ)。
美しい名をもつ花です。丈は15㎝程、紫が段重ね雅びな雰囲気を醸します。「佇(たたず)まひ」が写生です。

朱の鳥居囲みて色の濃きつつじ

6月2日

季語・・・躑躅(つつじ)。
映像で見ました。朱色に塗られた鳥居が並んでいる山裾につつじが負けじと咲き盛り極彩の参道になっていました。「囲み」にその様子を表現してみました。

感性は磨けば光る胡蝶蘭

6月1日

季語・・・蘭。
30日の夕刻、会員の森田順子さんからLINEに写真が送られてきました。
先日、住まいの施設で新型コロナ発症が確認され、部屋から出られなくなったとの報があり案じておりました。胡蝶蘭を飾って慰めているのでしょう。添え文に私の観察力と感性へのお褒めの言葉がありましたので返句を致します。

2022年5月

鈴蘭の影は小さく香を放つ

5月31日

季語・・・鈴蘭、君影草(きみかげさう)。
可憐な花で芳香も良く、北国を代表する花ですが、意外にも有毒植物、取り扱いには注意が必要です。

亜麻の花囲む地下鉄麻生駅

5月30日

季語・・・麻の花(亜麻は麻の一種)。
「麻生」の地名は昔ここに亜麻工場があったのが由来。街頭に亜麻の花を一杯に咲かせて街を活気づかせています。「囲む」が写生です。

大胆に風を捉へてゐる牡丹

5月29日

季語・・・牡丹(ぼたん)。
牡丹が各庭に咲き誇り、華麗なる競演を醸しています。豪華さでは最たるものでしょう。「大胆」が写生です。

噴水の音を束ねる太さかな

5月29日

季語・・・噴水。
25、26日は札幌も夏日で暑く「薄暑」の季語が似合う時期になりました。水辺で涼むのももうすぐですね。「音を束ねる」が創意です。

涼やかなドウタンツツジ花あまた

5月28日

季語・・・つつじ、涼やか。
植物の表記は片仮名と決められていて、ここでは植物名として扱っています。涼やかの季語の方が勝っています。「花あまた」が写生です。

梨の花芯に透けたるうすみどり

5月28日

季語・・・梨の花。
梨の花をよく観察すると花弁の基の所が薄く緑かかっています。梨の果肉を連想させる瑞々しさです。

黒百合の悲恋の影を帯びし色

5月27日

季語・・・百合。
紫がかった黒百合の花色は、私には悲しみを帯びた色に見えます。「悲恋の影」少し抽象的ですが、謂えてみました。

かくれんぼ山吹見上げ見つからず

5月26日

季語・・・山吹(やまぶき)。
山吹の濃い黄色は目立ちます。かくれんぼ遊び子供は山吹の近くの物影にかくれたのか、見つかりませんでした。きっと鬼が山吹に気を取られたのでしょう。「山吹見上げ」が創意。写真の二枚目は拙宅の白山吹の一重です。(珍しいです)

ふじの花囲みて香り離さざる

5月25日

季語・・・藤、藤棚。
藤房は長く垂れ下がり香りを漂わせるが、房で囲んで香りを離さないようにしているとの句意。藤棚の下に居るとそのような気分になります。

地に群れて踊子草の音頭かな

5月24日
季語・・・踊子草(をどりこそう)。
踊り子の名のとおり、小さな鈴を持って踊っているかのようです。「音頭」にこの雰囲気を表現してみました。

凝縮の五寸あやめの濃紫

5月24日

季語・・・渓蓀(あやめ)。
五寸(約15㎝)の名のとおり小さいが、姿には風格があります。色も「凝縮」したような濃紫(こむらさき)、小振りだが格調の高い花です。

菜の花畑(はた)空の端まで色を敷く

5月23日

季語・・・菜の花。
写真の提供があり(ホームページ管理者)ましたので句を添えてみました。中七から大胆に表現してみました。

<コメント>
自分の住んでいる隣町で毎年開催されている菜の花まつりに行き、あまりに見事だったためホームページに掲載したく先生に写真を送り、句を詠んでもらいました。(先生、素敵な句ありがとうございます。)実際に観ると圧倒されて暫く見入ってしまいました。皆さんにも機会がありましたら是非一度観て欲しいなと思います。
光黎書苑ホームページに管理責任者

風に触れ蕾赤らむ花林檎

5月22日

季語・・・林檎の花。
りんごの花は白色ですが、蕾の時は薄い桃色を含んでいます。遠目には梨の花との区別はつきませんが、近づくと分かります。「蕾赤らむ」が写生です。

楽しげに花海棠集ふ風

5月21日

季語・・・花海棠
拙宅の花海棠は既に散ってしまいましたが盛りの頃は華やかで賑っていました。「風が楽しげに集う」と大胆に表現してみました。

青空に花盛りあげてライラック

5月20日

季語・・・ライラック、リラ(フランス語)。
「さっぽろライラックまつり」が開催されています。(18日~29日まで)3年ぶりの開催でやっと札幌に初夏が戻ってきた感じがします。今年は紫、白。濃紫が同時期に咲いています。

石垣に垂れて紫薺てふ

5月19日

季語・・・花薺(はななづな)は白色で春の七種の一つ(俗称、ぺんぺん草)ですが、紫薺という別種(写真)があるのを見つけました。「てふ」は文語で「という」です。

大漁の竿のしなりや華鬘草

5月18日

季語・・・華鬘草(けまんそう)、鯛釣草。
鯛を沢山釣りあげた竿(茎)は大きくしなっています。風に揺れると風情のある咲き様です。「大漁の竿」が写生です。

進 化 -100本塁打 250奪三振ー

5月17日

大リーグ公式サイトによると打者で100本塁打、投手で250奪三振を達成したのはルース以来、大谷翔平選手が2人目、「ルースの記録に並ぶ歴史上唯一の選手となった」とたたえた。16日朝には、101本目も放った。

沖縄の歴史を学び五月富士

5月17日

15日は、沖縄本土復帰50周年で四六時中ラジオで記念式典や歴史、歌などを聞いていました。「深夜便」での特集は充実していました。五月富士(さつきふじ)は雄渾な姿の夏山を形容する季語です。

まろやかな蒲公英の絮風に乗る

5月17日

季語・・・蒲公英(たんぽぽ)の絮(わた)。
まろやかな絮が欠けだし、種が風に乗って飛んでゆきました。

散り際の風待つ重さ八重桜

5月16日

季語・・・八重桜。
今週、根室で千島桜の開花が報じられたので、桜前線は終宴です。山桜に遅れて今は八重桜が咲いています。八重桜の重量感は独特の雰囲気を醸し出します。「風待つ重さ」と写生してみました。

デフリンピック 日本辞退

5月15日

ブラジルで開かれている聴覚障害者の国際スポーツ大会、第24回夏季デフリンピックに参加している日本選手団は12日、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、全競技で出場を辞退すると発表。日本は10日までに金12を含む計30個のメダルを獲得し、史上最多を記録していた。

音のなき風のさざ波雪柳

5月15日

季語・・・雪柳。
さざ波にもかすかな音はありますが風音のしない程度の揺れ様を表現しています。「風のさざ波」が創意。

土佐水木風を小分けにしてをりし

5月14日

季語・・・土佐水木(とさみづき)。
花が房状に連なるので独特の揺れ方をします。「風を小分け」と表現してみました。写真は前日の山茱萸です。黄色なので間違えました。房状のが土佐水木です。

大胆な剪定空を仰ぎつつ

5月14日

季語・・・剪定(せんてい)。
公園などの大木の選定はクレーン車で行うのですね。大胆な切り様に暫く眺めていました。「空を仰ぎつつ」に写生力を発揮しました。

山茱萸の花に黄昏色重ね

5月13日

季語・・・山茱萸(さんしゅゆ)の花。
黄色の小さな花が球状に集まって咲くので「春黄金花」ともいう。黄昏(たそがれ)の色を重ねたのが創意。

チューリップ一段高き風掴む

5月13日

チューリップの茎の長さは、同じ様に見えますが、よく見ると少し背の高いのも低いのもあります。背の高いのは「一段高い風を掴む」と表現しました。

日に開く純白の粋紫木蓮

5月12日

季語・・・紫木蓮(しもくれん)。
紫木蓮の花びらは厚く内側は純白です。お日様には内を見せ、外側は紫なのを「粋」と捉えました。

開拓の屯田兵舎若葉萌ゆ

5月12日

季語・・・若葉。
いつも通るお社の横に「屯田兵開拓の碑」があり兵舎が保存されています。大木の若葉が柔らかく包み込む様に聳えています。

最古の球場 -103年ぶりの二刀流ー

5月11日

5日、1912年に開場した大リーグ最古の球場で、大谷翔平選手(27)が先発投手兼3番指名打者で出場、今季3勝目を挙げ、投打で活躍した。同球場は「野球の神様」ベーブ・ルースが「二刀流」でプレーした場所。

翁草風に思案をあおられて

5月11日

季語・・・翁草(おきなぐさ)。
花全体に細かい毛が覆い翁の白頭に似るのでこの名がある。うつむいた花は思案しているかのように見えたので写生しました。
「思案をあおる」が創意です。

五百束供へ知床沖霞む

5月10日

季語・・・霞(かすみ)。
知床半島での惨事には、唖然として言葉もでません。遺体安置所として使われていた施設に全国から花束や菓子などが届いているという。6日で520件を越えたとの報道に詠みました。
悼句なので押印に如来と香炉を使いました。

寂しさに一輪草は身を寄せて

5月10日

季語・・・一輪草(いちりんそう)。
拙宅の一輪草は、八重のは増えて群れていますが、一重のは数輪寂しげに咲いています。「身を寄せて」と写生しました。

やや遅れ黄の片栗の花の反り

5月9日

季語・・・片栗の花。
薄紫の片栗の花は既に盛りを過ぎ散ってしまいましたが、黄色の花は今が盛りと花びらを反り返し咲き誇っています。「やや遅れ」に時間の流れを表現しています。

青空の色地に散らし犬ふぐり

季語・・・犬ふぐり。
奇麗なのに残念な名前を付けられた花はいくつもありますが、これもその一つです。種の実り方が似ているとの説があります。可憐な青は清々しく気持ちを軽くしてくれます。

母の日のママの似顔絵笑ひかけ

5月8日

近所のスーパーで母親の似顔絵展を催していました。雰囲気は母というよりママという感じで全員正面を向いて笑っていました。

アネモネの風を包みし姿かな

5月8日

季語・・・アネモネ。
アネモネの花は風を包み込んでふくらんでいる様に見えます。「風を包みし姿」と表現してみました。

室咲きの紫蘭はいまだ風知らず

5月7日

季語・・・紫蘭(しらん)。
もう初夏なので鉢物は戸外に出しましたが紫蘭は咲き誇っているので、まだ室内で鑑賞しています。そろそろ遮光して外の風に当てようと思っています。「風知らず」と表現しました。

芽柳の風に伸びつつ空覆ふ

5月7日

季語・・・芽柳(めやなぎ)。
柳は青葉になると重量感があり光を遮り、風まで押し留めてしまいますが、芽吹きの頃は、軽やかに揺れ風情があります。「風に伸びつつ」が創意。

奥まりし枝も明るく利休梅

5月6日

季語・・・梅。
珍しい種類の「利休梅」を見つけました。木立ちではなく、木瓜の様な咲き様です。検索して分かりました。「奥まりし」が写生です。

葉に雪の重しの跡や雪の下

5月6日

季語・・・鴨足草(ゆきのした)、雪の下。
「雪の下」は季語としては夏に分類されていますが、札幌近郊では4月中旬過ぎに咲き始めます。今日から立夏(りっか)で、初夏に季節が移ります。

川の空の端から端に鯉幟

5月5日

季語・・・鯉幟(こいのぼり)。

川幅いっぱいにこいのぼりを泳がせている町をニュースで見ました。「空の端から端」と大きく写生してみました。

高額な飾兜にある威厳

5月5日

季語・・・兜飾る、武者人形。
写真の鎧飾は、鮮かな方が日本橋高島屋本店の物、古風なのが浅草橋吉徳本店のもの、どちらが高額でしょうか?「威厳」を感じさせる方が高価です。

くっついて離れぬ親子鯉幟

5月4日

季語・・・鯉幟(こいのぼり)。

今日の風はこいのぼりがよく絡まる風で、まるで仲の良い親子がくっついて離れないようだとの意。風も粋な演出を醸します。

埃立つ風丁度良きこいのぼり

5月4日

埃が立つような強い風は人には嫌われますが、こいのぼりを泳がすには丁度良い風です。風の強弱、向きで戦ぎ方も変わります。

復習の平和憲法記念日

5月3日

季語・・・憲法記念日。
日本は第2次世界大戦に敗れて戦争はもうしないと憲法に定めてあります。ウクライナでは戦争が勃発して悲惨な情況です。もう一度平和を確かめるべく憲法を復習したいものです。

花冷や解せぬ戦争犯罪人

5月3日

季語・・・花冷(はなびえ)。
2日は冷え込みました。桜が咲く頃の冷えを「花冷」と美しく表現します。戦争という非人間の業に恐怖を覚え、冷酷な人間のいる現実を知らされる毎日です。

退きし古参の余力新茶古茶

5月2日

季語・・・新茶、走り茶、古茶。
今日2日は、八十八夜。新茶の出回る時期になりました。昔から新茶の時期になると古茶のコクが増し深みのある美味しさになると言われています。「古参の余力」と表現して人間界と重ねてみました。

種袋期待膨らむ写真と絵

5月1日

季語・・・種袋。
種蒔は、種袋を買う時が一番楽しいかもしれません。種袋の写真やイラストの様に咲き、実ると思いませんが期待してしまいます。

2022年4月

クリスマスローズは謙虚に俯きて

4月30日

クリスマスローズは12月に咲くのでこの名が付きましたが、北海道では春に咲きます。俯きかげんでどことなく謙虚に見えるので写生してみました。

戦争と平和の時代 昭和の日

4月29日

季語・・・昭和の日。
「昭和」には、戦争があり戦後生まれの私なども戦争の影響を少なからず受けています。「令和」の代になっても戦争が起こっている現実に震撼します。平和が続くようにと願わずにはいられません。

青空をキャンバスにして梅の紅

4月28日

北海道は梅と桜が同時期に咲きます。他の花木も一勢に咲き出し、外を歩くのが楽しみです。青と紅を写生した「梅の紅」が創意です。

先ずはエゾ紫つつじ走り咲き

4月27日

季語・・・躑躅(つつじ)。
北海道のつつじはエゾムラサキツツジが最初に咲きます。まだ色彩の少ない庭に目立つ赤紫の華やかさがこれからの溢れるほどの開花を暗示させます。

開拓の北海道やたんぽぽ黄

4月26日

季語・・・蒲公英(たんぽぽ)。
西洋たんぽぽは北海道の開拓時に食料として植えられたと教えられました。根は地中深く伸び丈夫な植物です。草取りはしますが、まだ一度も食べた事はありません。切れ字の「や」が重要です。

ゆっくりと津軽海峡過ぐ桜

4月25日

23日、札幌管区気象台にある桜の標本木が咲き、市内の桜の開花を宣言した。5番目に早く、昨年より1日遅い開花という。
揚句は「ゆっくり」と表現しましたが、以外に早く開花しましたね。これから道東の千島桜まで約1ヶ月近く楽しめます。

不揃いの背丈の風やつくしんぼ

4月24日

季語・・・土筆(つくし)、つくしんぼ。
土筆は個性があり、同じ背丈の物はありません。姿勢の正しい物、曲がっている物、不揃いが自然です。人も同じと私は考えます。「風を不揃い」にしたのが創意です。

片栗の花ははかなき風まとふ

4月23日

季語・・・片栗(かたくり)の花。
片栗の花は茎が細いせいかか弱い感じが漂います。「はかなき風」としたのが創意です。

駅前の喧騒(けんそう)空に山辛夷

季語・・・山辛夷(やまこぶし)。
今週、用事があって札幌駅前に行ってきました。駅前の彫刻群の所に山こぶし(こぶしより小粒)が咲いており写真に撮ってきました。中七に切れがある句またがりの技法で詠んでます。

畑(はた)に居て野生麗か北狐

4月21日

季語・・・麗(うらら)か。
先日、住宅街の畑にキタキツネが居ました。毎年のように見掛けるのですが防風林にでも生息しているのかもしれません。野性味はなく穏やかな顔つきでした。「麗か」と表現しました。

凛とする自分を見つめ水仙花

4月20日

季語・・・水仙花(冬)、黄水仙(春)。
ナルシストの花言葉と故事にちなんで詠んでみました。水仙の花を見ているとなるほどと納得しますね。季語の扱いも注意が必要です。

辛夷咲き視線を空へ導きし

4月19日

季語・・・辛夷(こぶし)。
辛夷の存在感は花木の中でも秀でています。まだ広葉樹の葉が芽吹かない前に白い厚みのある花は空に映えます。「視線導き」と表現しました。

目覚め 先頭弾、反撃弾

4月18日

米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手は1回に1号の先頭打者本塁打、5回に2号2ランを放った。マドン監督はこれを目覚めの2発とみると語った。

月朧離陸の灯火闇に消へ

4月18日

季語・・・朧(おぼろ)、朧月。
16日は満月で「ピンクムーン」と呼ぶのだそうです。(芝桜の咲く頃だから)ラジオで得た知識です。宵の月が見事だったので写真に撮りました。

突き上げる生くる喜び青き踏む

4月17日

季語・・・踏青(たふせい)、青き踏む(青々と萌え出た草を踏み遊ぶこと)。
若草や芝が青さを増すと大地のエネルギーを感じ元気になってきます。殊に子供達は生々と踏び弾ねて遊んでいます。「突き上げる」と表現してみました。

あり余る日に促されクロッカス

4月16日

雪が解け出すと、先ず福寿草とクロッカスが咲きます。土の匂いと共に色鮮やかな花は春の訪れを実感させてくれます。
「あり余る日」と冬への暗さを払拭する光を表現してみました。

雪解かし公園人を集めゐる

4月15日

雪が積もっている時の公園は人影もまばらでしたが、今週の好天時に沢山の人が出ており春を楽しんでいました。
皆さん待ちわびていたのですね。
「公園が雪を解かす」。詩ならではの表現です。

日表(ひおもて)の力いっぱい福寿草

4月14日

季語・・・福寿草(ふくじゆさう)。
日当り=日表、日陰=日裏と表現します。
福寿草の黄色は元気を与えてくれます。小さな花なので「力いっぱい」と写生しました。

10日、ロッテの佐々木郎希投手が永く語り継がれる伝説を作った。プロ初完投を完全試合で飾り、日本記録を64年ぶりに更新し、球史にさんぜんと輝く投球をみせた。

球史の怪物 ー史上最年少20歳佐々木郎希ー

覚 醒 ー不屈の郎希ー

完全試合 13連続奪三振 新記録 佐々木郎希

世紀の105球 19K完投で完全試合 佐々木郎希

興奮で寝られなかった 佐々木郎希

覚悟の舞 ー戦火を逃れ、世界フィギアー

4月12日

3月26日までフランスで行われたフィギアスケートの世界選手権でロシアから侵攻を受ける中「母国を勇気づけたい」との決意でリンクに舞ったウクライナの選手団に観衆は立ち上がって惜しみない拍手を贈った。

春塵の道路工事は音広げ

4月12日

季語・・・春塵(しゅんぢん)、春埃。
雪が解け、雪で損んだ道路を補修する工事があちらこちらで始まり、雪国の避けられぬ仕事の一つになっています。「音広げ」と表現してみました。

暫くは期待の木瓜に見惚れたる

4月11日

季語・・・木瓜(ぼけ)の花。
今年も鉢植えの木瓜が見事に開花してくれました。地植えのとは違う雰囲気を醸してくれます。「見惚れ」と表現してみました。

入学児みな珍しくうはの空

4月10日

季語・・・入学(にふがく)。
今週は各学校で入学式が催されました。「入学児」ですので幼稚園児か小学生。付添の親の方が「うわの空」かもしれません。

確かめる味覚健やか蕗の薹

4月10日

季語・・・蕗の薹(ふきのたう)。
先週から蕗のとうを味噌汁に入れ春の味覚を楽しんでいます。今年の「にがさ」は例年より強く「健やかな味蕾」を感じております。

落ちてなほ姿整へ藪椿

4月9日

季語・・・藪(やぶ)椿=日本固有種。
山茶花(サザンカ)は花びらがバラバラに散りますが、椿は花ごと落ちます。「落椿」の季語があるくらい風情があります。「姿整へ」と端正に写生してみました。

柊の花を守りし鋭き葉

4月8日

季語・・・柊(ひひらぎ)の花。
柊の花は冬に咲きますが、雪国は春になってから咲き始めます。写真は上野で撮りましたが、花は終わりかけていました。葉には鋭い棘があり節分に魔除けとして使われます。

ふらここの子等雪解けを促せり

4月7日

季語・・・ふらここ、ぶらんこ。
ここ一週間程の暖気で札幌の残雪は消えました(写真は10日程前のものです)いよいよ花木が一勢に花開く季節です。揚句、「促せり」と切れ字を大胆に言い切りました。

歓 喜 ーサッカーW杯出場 国内でもサポーターら爆発ー

4月2日

今年11月開幕のサッカー・W杯カタール大会のアジア最終予選で日本は24日豪州を破り7大会連続7度目の本大会出場を決めた。昨年9月に始まった最終予選で、日本は2敗とつまずいたが、そこから破竹の6連勝を飾った。W杯出場決定に国内でもサポーターらが喜びを爆発させた。

お別れは既に済ませた名残り雪

4月2日

季語・・・名残の雪(なごり)。
4月1日は万愚節(エープリルフール)でしたが、嘘のように寒く、雪が降りました。季語に「名残の雪」とありますが、今年は惜別などと感慨をもよおす気にはなれません。「三寒四温」という1月の季語もありますが、今まさにその感じです。雪と寒さとはお別れしたいものです。

W杯総合V ー困難を極めたシーズン 小林陵侑ー

4月1日

ノルディックスキーのW杯ジャンプ男子は27日、今季最終戦が行われ、北京五輪金メダルの小林陵侑選手が3季ぶり2度目の個人総合優勝を決めた。新型コロナウイルスの影響で一度も日本に帰れず困難を極めたシーズンだったが最強の称号にふさわしい活躍ぶりだった。

日に八重の色もり上げて紅椿

4月1日

季語・・・椿(つばき)。
札幌周辺で見掛けるのは夏椿ですが、本州では1月には咲いています。上野の椿も見事な咲き様で「色盛り上げて」と表現してみました。

日に含む薄き緑や白椿

4月1日

白椿と称しますが、芯は黄色、花びらの根元は薄緑を含んでいて格調があります。「日に含む」と日射しを当ててみました。

2022年3月

最高難度 宇野 完璧 新女王 坂本

3月31日

26日にフランスで行われたフィギアスケートの世界選手権で女子は坂本花織選手が男子は宇野昌磨選手が優勝。日本の男女が金メダルを獲ったのは、2014年の羽生・浅田以来。両選手共、自己ベストを更新しての圧巻の内容だった。

充実の舞 ー五輪からの調整見事ー

3月31日

日本勢は男女同時優勝を含めて4個のメダルを手にした。北京五輪からわずか1か月。調整に苦しんだ選手も多い中、日本勢の勤勉さが光っていた。

熊笹の青の乾きし雪間かな

3月31日

季語・・・雪間(ゆきま)、雪が消えた隙間。
雪解けが進みましたが、まだところどころに残雪があります。熊笹は雪を弾ねのけ乾いていました。「青の乾き」と表現してみました。

赤平の景色 ー国際長編映画賞ー

3月30日

27日、第94回米アカデミー賞の発表・授与式が行われ、濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイカー」が、国際長編映画賞を受賞した。日本映画が同賞を受賞するのは2009年以来13年ぶり。また、クライマックスシーンのロケが行われた赤平市では撮影に協力した市民らが受賞が決まると大きな歓声が上がり「世界が評価する映画で、赤平の景色が紹介される」と興奮気味に喜んでいた。

きらめきの春の色して墨田川

3月30日

謙慎展で上京した日は暖かで、墨田川はきらめいていました。川の色も穏やかで春の色調でした。

春愁の雨のフライト全機濡れ

3月30日

季語・・・春愁(しゅんしう)、春ゆえの愁い。
帰路の日は寒く雨が降っていて、雨雲で飛行機が揺れないか心配なのを、「春愁」に季語で詠んでみました。「全機濡れ」当り前なのですが、季語に被せてみました。

嘘、氾濫 ーウクライナ侵攻 専門家が警鐘ー

3月29日

ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、ウソや真偽不明の情報が、日本国内のSNSユーザーの間にも広がっている。虚偽の情報が蔓延すれば、誤った世論が形成される恐れがある。

麗かや赤子の寝息機上にて

3月29日

季語・・・麗か(うららか)。
上京の折、同乗の赤ん坊がぐずっており大声で泣き出したら親が大変どろうなあと危惧していましたら意に反し寝息も穏やかに過ごして「麗か」な雰囲気でした。

楕円の窓機上から見る街霞む

3月29日

季語・・・霞(かすみ)、霞む。
飛行機の窓は楕円形、私は窓際は嫌いなのでいつも通路側に座るのですが、若い人は窓側に座ってよく外を見たり、写メを撮ったりしています。

覚 悟 ー二兎を追う 二刀流アスリートー

3月28日

北京パラで話題になったアルペンスキー女子で金3銀1のメダルを獲得した村岡桃佳選手、同男子で銅2個の森井大輝選手ら「夏冬二刀流」の選手たち。俗に「二兎を追う者は一兎をも得ず」というが、全く動じず二兎を追う者の「覚悟」を感じる。二刀流といえば大谷翔平選手(エンゼルス)だが、春季キャンプが始まり、投打の「二刀流」調整で、メジャー5年目に向け始動した。

掘り起こす雪の重さや松かなし

3月28日

雪の重みで木々の枝が折れています。雪吊、雪囲をしっかりと施していれば大丈夫なのですが、手を抜いた証で木々が痛んでいるかのような哀れさがあります。「松かなし」と直截に表現してみました。

妥協しない作風 ーアカデミー作品賞候補ー

3月27日

27日に授賞式が行われる第94回アカデミー賞で、溝口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、日本映画で初めて作品賞にノミネートされた。非英語作品というハンデを乗り越えての快挙の背景には、映画の作り手や批評家らプロの高評価や、アカデミー会員の多様化がある。
当作品は既に11日に日本アカデミー賞で作品賞を含む8部門で最優秀賞、13日英国アカデミー賞で非英語映画賞を受賞している。

雪折れの年輪生くるごと晒す

3月27日

季語・・・凍裂(とうれつ)、雪折れ。
木の水分が氷って木が裂けるのを「凍裂」といいますが、今年は雪の重みで枝が折れる雪折れの現象が多かったです。庭木も徐々に痛ましい姿を現し始めました。

異国への避難 身寄りなく

3月26日

ロシアによるウクライナへの侵攻から1か月が過ぎ、ポーランド南部の避難所には、古里を追われた人々が次々と集まってくる。多くが親族を頼り、次の避難先へと移って行くが、ここにとどまらざるをえない人もいる。いや応なしに、戦闘のまっただ中に置かれた人々は「この先どうなるのか」と不安を募らせる。

探梅は上野でありし美術館

3月26日

季語・・・探梅(たんばい)=梅の花を見て歩く。
上野は桜の名所ですが、探せば梅の名木も結構あります。美術館も数多くあります。西洋美術館(JR公園口を出てすぐの所)は工事中でした。

ものの芽の動きはじめる大地かな

3月26日

季語・・・ものの芽=草の芽が地中より萌え出ること。
動きはじめるのは芽ですが、大地が動きはじめたと大きく詠んでみました。切れ字の「かな」の使い方が大切です。

節電に励む東京花の冷

3月25日

季語・・・花冷(はなびえ)。
先週の東京は寒かったですが、今週も寒いとか、地震の影響で電力が逼迫していて節電を呼び掛けています。「励む東京」と詠んでみました。

協賛の提灯の濡れ花の雨

3月25日

季語・・・花の雨(俳句で花と言えば桜)。
上野公園入口に毎年、桜まつりに協賛する企業、団体名の入った提灯がずらりと並びます、沿道には名の入ったぼんぼりが吊るされ夜桜を照らします。桜は雨に濡れても奇麗で風情があります。

文化財 ー書道伝える試みシンポと揮毫ー

3月24日

昨年6月の文化財保護法改正を受け、12月2日に書道が初の登録無形文化財になった。
書の技法と、筆や紙、墨などの伝統工芸を保存継承するのが目的で、書道会を挙げた活動が動き出している。今年2月5日に東京、12日には大阪でシンポジウムと特別揮毫会を開催。
※写真は3月18日付読売新聞夕刊から転載

選抜の球児の弾け風光る

3月24日

季語・・・風光る。
第94回選抜高等学校野球大会が甲子園で熱戦を繰り広げています。北海道選抜のクラーク記念国際高校は1回戦で姿を消しましたが、球児の弾けたプレーを見るのは勇気が貰えます。季語が活きていると思います。

快進撃 ーバドミントン「ホキコバ」ー

3月23日

20日、バドミントンの全英オープンで女子ダブルスの志田、松山組が初優勝を飾った(愛称はシダマツ)。混合ダブルスは渡辺、東野組が2年連続3度目の優勝。女子シングルスは山口茜選手が初優勝した。男子ダブルスでは世界選手権で日本勢初制覇を達成した保木、小林組(愛称ホキコバ)がいて、パリ五輪でのメダル獲得に期待が膨らむ。

遊船に寒緋桜は色映す

3月23日

定宿のホテルの近くを流れる神田川に屋形舟が沢山係留されています。明るい色に塗り替えられたのが目立ちます。「桜の色を映す」と表現してみました。

春寒の煙白くて池袋

3月23日

17日は暖かったのですが、18日は寒く札幌と変わらない気温でした。この日は池袋サンシャイン会場に行きました。「煙白くて」が発見です。

壊される街 ー残って奉仕 ウクライナ東部ー

3月22日

ロシア軍の侵攻が続くウクライナでは、多くの市民がボランティアに手を挙げ、街にとどまる人々を支える。東部ハリコフで暮らすシステムエンジニアはガソリンが不足する街で、EVを使い移動を手助けしている。

上野来て寒緋桜を先ず移す

3月22日

17日に上京して上野に行き東京都美術館横の大噴水広場の寒緋桜を見て撮るのが慣例です。今回はそばの東京博物館に寄れなかったのが心残りでした。

謙慎展観ての麗かなる上野

3月22日

季語・・・麗(うらら)か。
謙慎展を観て、不忍池を通り、上野公園入口に行くと桜が見られます。公園内の桜はまだ蕾ですが、ここのは一番早く咲きます。

収穫と課題 ー北京冬季パラリンピックー

3月21日

北京パラは13日閉幕したが、日本は前回の平昌大会を上回る金メダル4個を獲得したが、総数では前回の10個に対し7個に終わった。金メダル3個を獲得した村岡桃佳選手(25)は、平昌大会後、陸上に転向し、肉体を鍛えた「二刀流」が競技力向上につながった。男子は森井大輝選手(41)が奮闘。しかし世代交代が進まず、メンバーが高齢化している。距離スキーは川除大輝選手(21)が制した長距離に照準を絞り、関係者が一体となって強化したことが奏功した。一方バイアスロンはメダルがなく、危機感を抱く。スノーボードは欧米勢に比べ絶対的な速さが劣るなど、2大会連続のメダル獲得はならなかった。

春分の眠ったままの遊具たち

3月21日

季語・・・春分の日。
21日は彼岸の中日ですが、雪国はまだ雪に埋もれています。墓参りもスコップ持参です。公園の遊具も雪に埋もれてまだ近づけません。あと半月程の辛抱ですね。

鋼の心 ーウクライナ選手 ふるさとの光となったー

3月20日

北京パラのウクライナ選手たちが残した言葉には、戦火の故郷を案じながら目前の戦いに挑んだ、悲痛な心の覚悟がにじんだ。その中で同国史上最多の金11個。鋼の気構えに圧倒される。彼らの奮闘がふるさとの光となったこと、そして困難が予想される今後の無事を願わずにはいられない。

戦争を続ける国へ鳥帰る

3月20日

季語・・・鳥帰る(とりかへる)。
日本で越冬した鳥が、北方に帰って行きます。願わくば平和の使者になってくれるといいのですが...。

春の雨木立静かに濡れそぼつ

3月20日

そぼつ=文語(濡つ、ぬれる)。
「春の雨に木が濡れている」ただそれだけのことですが、文語を使うと格調が高くなります。「静か」にまだ芽吹く前の様子を表現してみました。

名伯楽の涙 -荒井秀樹チームリーダーー

3月19日

川除大輝選手が7日の距離スキーで金メダルを決めた瞬間、荒井秀樹チームリーダー(67)の目に涙が浮かんだ。「これで競技をやろうと思う子が増える」。ほっとした様子で語った。荒井リーダーは長野大会から日本チームを支え、7大会連続でメダリストを送り出した。7大会連続出場の新田佳浩選手もスカウトした。根底には「どんな障害があってもスポーツは素晴らしい」との思いがある。

恋猫の鳴き声漏れて濁りゆく

3月19日

季語…恋猫、猫の恋(ねこのこひ)。
先日、霙の降る中猫が鳴きながら暗闇を動いていました。恋の季節になったのですね。まだ寒いのに大変だなあなど思いながら聞いていました。「濁りゆく」にあの独特の鳴き声と行動を表現してみました。

反戦ラジオ 特別番組 村上春樹

3月18日

ウクライナで誰も望んでいない戦争が始まってしまいました。音楽に戦争をやめさせることができるか?たぶん無理ですね。でも聞く人に「戦争をやめさせなくちゃ」という気持ちを起こさせることは、きっと音楽にもできるはずです。ロシアのウクライナ侵攻を受け作家の村上春樹さん(73)が18日、TOKYO FMの特別番組「村上RADIO特別版 戦争をやめさせるための音楽」に出演する。

見届ける卒業式はオンライン

3月18日

季語・・・卒業。
15日は札幌の中学校のほとんどが卒業式を行いました。感染対策で付添は1名。オンラインでの卒業式とか。私には想像がつきません。関係者の方々のご苦労が窺えます。

すぐ解ける白のはかなさ春氷

3月18日

季語・・・薄氷(うすらひ)、春氷。
気温が低いと氷は透明度が高く透きとおっていますが。暖かくなると白く濁っています。「はかなさ」に去りゆく冬への惜別感を表現しました。

荒唐無稽な嘘 ー露の言論統制ー

3月17日

プーチン露大統領がどんなに言論統制を強め、荒唐無稽な嘘を並べ立てても、ロシアが国際法違反の侵略を続け、無辜(むこ)の市民を殺傷しているという厳然たる事実は隠せない。(8日の読売新聞の社説から抜粋)

選手と共に声で戦う ーガイドスキーヤー藤田佑平ー

3月17日

ガイドスキーヤーの藤田佑平さん(29)は、数メートル後ろを滑る有安諒平選手(35)の「目」を務め、口元のマイクから曲がる方向や雪面の起伏を伝えている。「2人で滑り、最後は同時に万歳できる」。五輪とは違う距離スキーの魅力について語った。

融雪剤撒いて促す北の畑(はた)

3月17日

畑に積った雪に融雪剤が撒かれ黒く縞模様になっています。早く雪を解かして耕作するのが雪国の春の風物詩です。「促す」に期待をこめて詠みました。

ウクライナ勢の活躍 ー金メダルをとっても幸せではない 戦争をやめてほしいー

3月16日

北京パラは閉幕した。今大会はロシアのウクライナ侵略により、ロシアとベラルーシの選手の参加が認められなかった。ロシアの暴挙が招いた不幸な結果である。一方、出場が危ぶまれたウクライナの選手は砲撃が続く母国に家族を残して北京入りし、メダル29個(金11銀10銅8)の活躍を見せた。パラリンピックは、戦争で負傷した兵士のリハビリのため開催されたのが起源だ。根底には平和への強い願いが込められている。(3.13読売新聞社説より)

ワックスの勝利 ーワックスマン佐藤勇治ー

3月16日

距離スキーとバイアスロン日本代表のスキー板を手入れするのは、「ワックスマン」の佐藤勇治さん(55)だ。4年に1度の大舞台で、アスリートの力を最大限に引き出す役割を担っている。7日の距離スキー男子で、川除大輝選手(21)が最年少で優勝。チームリーダーの荒井秀樹さん(67)は「ワックスの勝利」と称えた。

枯れやうも確かに生きて木の根開く

3月16日

季語・・・木の根開く。
雪解けが進み「枯木立」の根元は、いち早く窪みをつけています。「生きて」いる実感です。これから芽吹きを迎え活動期になります。雪国ならではの季語です。

平和の祭典を蔑ろにした国

3月15日

北京冬季パラの開催国の中国は、人道危機を招いている侵略に目をつぶり、むしろ中露の結束を誇示している。「平和の祭典」を蔑(ないがし)ろにした開催国として歴史に刻まれよう(よみうり寸評より抜粋)。13日の閉会式でIPCのパーソンズ会長のスピーチでの「平和」を再び訳さず、言い換えた。閉会式も異例の55分で式典を終了した。

成人に備はる英知雪礫(つぶて)

3月15日

季語・・・雪礫、雪合戦。
雪国の遊びに雪合戦があります。世界大会もあるらしく老若男女分け隔てなく楽しめます。「雪合戦朗らかに雪ぶっけ合ふ」(2月のギャラリーに掲載した句です)人類には「英知」(本来は叡智)があるのでルールを定めて遊びます。英知が備わっていない大人は幼くて成人とはいえません。英知があれば戦争はしません。今の世界情勢を反面教師として子供達は覚えておいて下さい。

きらめきの音の響くや雪を割る

3月15日

季語・・・雪割(ゆきわり)。
最高気温がプラスになってきて、雪解けが進み、除雪ではなく雪(氷)割りの仕事をするようになってきました。あちらこちらから雪割りの音が聞こえてくるだけでも心が弾みます。「きらめきの音」と表現してみました。

発信力も抜群 ー内村航平ー

3月14日

国内外での個人総合40連勝など輝かしい実績を誇り、体操男子で「キング」と呼ばれた内村航平選手が12日、現役引退の演技会で約30年間の競技生活に終止符を打った。体操ニッポンを背負う後進への強いメッセージを感じさせる「THE FINAL」だった。

自然界に強欲はなし鵙の贄(にへ)

3月14日

季語・・・鵙(もず)、秋の季語。
「鵙の贄」とは、獲物をとがった木の枝や有刺鉄線などに刺して蓄えたもの。一見生贄(いけにえ)のように残酷に見えますが、餌として蓄えるので必要以上に獲えたりしません。「強欲」ではなく「生きる」ためのものです。戦争を仕掛ける強欲な人達は自然界から学んでほしいものです。

真ん中は歩き難くて雪解道

3月14日

寒い時には歩道の中央部分は固く盛り上がり歩き難いですが、雪が解け出してくると中央がザクザクと水びたしになり、まだ解けていない端を利用して歩きます。雪国ならではの現象です。

三 冠 ー金、村岡桃佳ー

3月13日

11日、前回大会に続く連覇で、今大会のメダルは滑降とスーパー大回転での金、スーパー複合の銀に続く4個目となり、冬季日本勢の最多を更新した。

国に雄姿を メダル19個 ーウクライナ選手団ー

3月13日

ロシアによる侵攻で出場が危ぶまれたウクライナの選手団が、圧巻の存在感を示している。10日までのメダル獲得数はトップの中国に次ぐ2位の19個。母国に戦火が広がる国難な状況下で、奮闘する姿を通して世界に平和を訴えている。

札幌の剪定雪を踏み台に

3月13日

季語・・・剪定(せんてい)。
普通、剪定は脚立つに乗っておこないますが、雪国では積もった雪を利用して高い枝を切り落とします。今年は楽々と高い所まで届きさっぱりと整えました。

競技と義足開発 ーマイク・シュルツー

3月12日

男子クロスで前回平昌大会の金メダルに続き、2大会連続となる銀に輝いたマイク・シュルツ選手(40)は、競技用義足の開発者というもう一つの顔を持っている。シュルツが見せる競技への愛着や情熱がパラスポーツを陰からしっかりと支えている。

意図的 ー音声落とし通訳は沈黙ー

3月12日

開会式で国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は、「今、世界で起きていることに恐怖を感じている」などとのスピーチを中国中央テレビは中国語への同時通訳を怠った。意図的な仕業だろうと各メディアは感じている。

3.11伝へ続ける震災忌 ー2022.3.11黙祈ー

3月12日

2万2000人以上が犠牲になった東日本大震災から11年となった。避難生活を送る人はなお4万人近くに上るという。政府主催の追悼式は「震災10年」の昨年で終了、個々の追悼となった。

まだ雪の固く重なり木々低し

3月12日

防風林は枯木立(葉を落とした木)のまま深い雪に根元を固められ佇んでいます。雪に覆われた分幹は短く低く見せます。

超人の競演 ー北京パラ十人十色ー

3月11日

五輪とはひと味違う魅力を放つパラリンピック、片方の脚でスキー板を操り、シュプールを描く。腕で力強く船を漕ぐように、スケートリンクを動き回る。車いすで雪上や氷上を滑る。超人とも呼べる選手達の熱戦はもう少し続く。

雪屏風(びょうぶ)削る断面除雪隊

3月11日

お向かいのご主人の奮闘により築き上げられた雪の壁は2メートル以上にもなり町内の排雪を待っていました。約1か月遅れで先日到着、30分程で奇麗に雪を片付けてくれました。写真でその過程をご覧下さい。「雪の壁」を「雪屏風」と表現しました。

戦う意思 ーボクシング元王者ー

3月10日

ウクライナは、ボクシングの強豪国として知られる。侵攻を続けるロシア軍との戦闘が激化する中、世界的なボクサーたちも、次々に戦う意思を示す。ロマチェンコ選手は、北京、ロンドン五輪で連続金メダルを獲得、ロンドンヘビー級金メダリストで、昨年9月に世界ヘビー級3団体の統一王者となったウシク選手も「領土防衛隊」に加わって活動している。首都キエフのクリチコ市長(50)も元世界ヘビー級王者だ。

解けゆく雪車のタイヤ離さざる

3月10日

幹線道路は除雪が行き届き、舗装面も出ていますが、脇道は積もった雪が解け出して、ザクザクの状態です。車があちらこちらで埋まって動けなくなっています。「雪がタイヤを離さない」と表現してみました。

ギネス世界記録 ー鈴木、一山夫婦合計ー

3月9日

ギネス世界記録公式サイトによると、同一マラソンでの夫婦合計世界記録はケニア人カップルだったが鈴木と一山夫婦の東京マラソンでの合計4時間26分30秒が35秒上回った。

エースの顔 ー新田の背中を追って 川除大輝ー

3月9日

7日、北京冬季パラ距離スキー男子20キロで川除大輝選手(21)が金メダルを獲得した。7大会連続出場で3個の金を獲得している「レジェンド」新田佳浩選手の背中を追ってきて、日本選手団旗手として迎えた今回。「バトンタッチするのは彼しかいない」という新田の世代交代の期待に、十二分に応える走りだった。
アルペンスキー女子スーパー複合では村岡桃佳選手が銀メダルに輝いた。

仲良しの一列遊ぶ雪求め

3月9日

これから雪遊びに行く園児達でしょうか、一列に並び行儀よく行進していました。この句中七に切れのある句またがりです。「一列」で切って読んで下さい。

母国を思い ーウクライナ勢 パラ初日メダル7個ー

3月8日

競技が始まった5日は、ロシアに侵攻されているウクライナのバイアスロン代表が躍動した。男子が1~3位を独占するなど、メダル7個を獲得。金メダルは3個で国別で首位に立った。
「この金メダルは、犠牲になった子どもたちとその母、全てのウクライナ人へのプレゼントにしたい」。男子で優勝したポプチンスキー選手(33)は声を震わせた。
(ウクライナ選手の主将)レース後、「戦争をやめてください」と改めて訴えた。

感涙は共感をよぶ春疾風(はやて)

3月8日

季語・・・春疾風(強風、突風のこと)。
6日の東京マラソンでは男子は東京五輪金メダルのエリウド・キプチョゲ(ケニア・世界記録保持者)が大会新記録で初優勝。日本人トップは4位の鈴木健吾選手(日本記録保持者)はゴールすると、感極まって涙を流した。

立て掛けて雪掻き道具休みゐる

3月8日

季語・・・雪掻き。
毎日のように酷使していた「雪掻き道具」も使わないで済む日が多くなってきました。これからは雪割り(氷割り)道具の出番です。

恐怖を感じています ーIPCパーソンズ会長 北京パラ開会式ー

3月7日

4日夜、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、北京冬季パラリンピックが開幕しました。「今夜はまず、平和のメッセージから始めたい」。国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長は、開会式で異例の言葉で訴えた。「私は今、世界で起きていることに恐怖を感じています」と続け、「スポーツを通じ、彼らは平和と共生の世界を作る、人間の最高の姿と価値を示してくれるでしょう」と握り拳を挙げ力強く挨拶をしました。

北京パラのスキーの誉れ 桃佳女史

3月7日

5日、競技が始まり、アルペンスキー女子滑降の村岡桃佳選手(25)が金メダルを獲得した。前回大会で金1含む5個のメダルを獲得した日本選手団主将が今大会の日本勢メダル第1号となった。男子滑降では森井大輝選手が銅メダルになった。

雪塊(ゆきくれ)を崩す鋭さ春の雨

3月7日

5日の札幌は午後から雨が降り、雪解けが更に進みました。歩くには足許が悪く難渋しますが、心は軽やかになってゆきます。

継続は全ての基本春の虹

3月6日

季語・・・春の虹(虹は夏の季語)。
2日ノルウェーで行われたW杯ジャンプ女子で高梨沙羅選手が今季2勝目、歴代最多を更新する通算62勝目を挙げた。ご存じのように北京五輪で失格になり苦悩していたがこれで終止符を打った。試合後には「今はすごく前向きにいられている。次も、見てくれる人たちに喜んでもらえるジャンプをしたい」と語った。
揚句は高梨選手に向けた励ましの句です。

雪肌の輝き荒くなり雪解

3月6日

寒気が緩んでくると、雪質が固くなり荒くなってきます。北海道の雪質はサラサラでキメが細かいのが特徴(パウダースノー)。雪の嵩も日々に低くなっています。「雪肌の輝き」が創意。

冬将軍へ冒瀆(ぼうとく)の文字被せやる

3月4日

季語・・・冬将軍、冬帝(とうてい)。
2日、教室の会員が俳句を見てほしいと持ってきました。個人名を入れ「戦争を止めて」が原句の句意でしたので、人名は避けて読み手に分かるようにした方が格調が出ると添削しました。時事俳句と称し、今起きている事を詠む俳句もあります。(私もコロナ禍を詠んでいますね)ただ俳句は「自然」が最上で人間はその中の一部分でしかありません。決して奢ってはいけません。「流氷の帰る戦争とめるため」添削句です。ペンは剣より強いとは言いませんが、「文字は力を蔵しています」。

駅前の雪の回廊大曲り

3月5日

JR学園都市線の新琴似駅前は写真のようにまだ雪がうず高く積ったままです。人の通り道が大きく曲がり駅へと続いています。ここは除雪車が入れないようで春まだ遠しの感じです。

賑かな母の腕(かいな)や橇を引く

3月4日

季語・・・橇(そり)。
母の腕が賑かなわけはないので、子供の声だと分かります。橇に乗り母に引かれるだけで子供は嬉しいのですね。

雛段の暮らし一段づつ雅び

3月3日

季語・・・雛段(ひなだん)。
3日は五節句の1つ、桃の節供。段飾りは生活の調度品なども飾り、雅びな暮し振りを飾ります。
写真は東銀座の歌舞伎座の地下に飾られていたものです。

春の氷柱鈍く光りて落ちにけり

3月2日

先週の暖気でほとんどの氷柱(つらら)は落ちてしまいました。氷柱の俳句を3句詠みました。ご鑑賞の程。

切っ先にひかり集めて氷柱落つ

珍しき姿の氷柱解け初めし

それぞれの雪と格闘二月尽

3月1日

季語・・・二月尽(にぐわつじん)、果つ、尽く。(短い月の慌ただしさと寒さのゆるむ独特の雰囲気のある季語)。
俳句は季語の詩と言われますが、掲句で分かると思います。「それぞれ」に客観があります。

砂撒(ま)いて雪の地下鉄出入口

3月1日

写生だけの句ですが、生活への実感があると思います。雪害の中、地下鉄が市民の移動に欠かせないものになっています。

2022年2月

屋根よりの雪庇をとめる雪の嵩

2月28日

雪解けが始まり(26日から気温が急に高くなってきました)雪庇(せっぴ)がせり出してきて落ちはじめました(危くて軒下には近づけません)その雪庇を雪の嵩(かさ)が押しとどめています。今年ならではの現象です。

雪庇伸びいよよ雪解け始まれり

2月28日

雪解けは、長い冬から解放される心地良さがあり何かを始めたい衝動にかられます。雪の無い地方では分からない躍動感があります。

枝ごとに雪を支へる松強し

2月27日

雪吊をされていない松が枝ごとに雪を積らせ支えていました。今年は雪の嵩が高く重いだろうなあ、頑張っているなあと思いながら見上げてました。
あともう少しの辛抱、すると解けて軽くなりますね。

冬五輪喜怒哀楽を演出し

2月26日

20日に閉幕した北京冬季五輪は選手の奮闘ぶりに見ているこちら側も勇気を貰い人生の縮図のような「喜怒哀楽」を味わいました。

春光の明るき氷柱雫(しずく)かな

2月26日

晴れた日の光には確かに春の兆しがあり気温も日中はプラスになってきました。氷柱(つらら)も解け出して明るい雫を落すようになりました。

室咲きの日射し明るくする若葉

2月25日

季語・・・室咲(むろざき)。
温室で咲き、散った盆梅は春の日射しに若葉を繫らせています。実も日々に大きくなり、春を実感させますが、戸外は雪に埋もれているのが現実です。

雪害の札幌疲れなほ除雪

2月24日

明るい句をと思いつつも、「雪害」の句になってしまいます。豪雪で疲れ切って生活しているのに更なる降雪で黙々と除雪に精を出しています。雪国の人が我慢強いのも当然ですね。

銅像の親子温まる春深雪

2月24日

銅像も雪に埋もれていますが、光には春の明るさがあります。「温(ぬく)まる」にそれを感じ取って下さい。

もどかしいマスク天皇誕生日

2月23日

23日は天皇誕生日(祝日)、ふと「もどかしい」の語彙が浮かびました。マスクも消毒も慣れはしましたが、やはり「もどかしい」。陛下も庶民も気持ちは同じだと思います。コロナ禍が一番「もどかしい」。句またがりの技法で8音、9音で切って読みます。

風音に狂気を含む猛吹雪

2月23日

21日の猛吹雪は凄ましかった。家で聞く風音に「狂気」を感じとりました。翌朝、1階の東側の窓が埋もれて驚きました。この地に家を建てて40年、初めての経験です。

核心に届く感動冬季五輪

2月22日

20日、北京冬季五輪は閉幕しました。競技に真剣に取組む選手たちに一喜一憂、数々の感動を頂きました。終わるのはさびしい気も致しますが、普段の生活に戻れる安堵感もあります。パラリンピックも楽しみです。

札幌を閉じ込め春の大吹雪

2月22日

こちらは早く去ってほしい「冬将軍」、最後にしてもらいたいです。週明けで交通網も遮断され「閉じ込め」状態です。

春寒の川に震へて鷺一羽

季語・・・春寒(はるさむ、しゅんかん)。
春寒を使いましたが、まだ厳寒の感じです。安春川の大鷺(ダイサギ)も私には震えながら餌を啄んでいるように見えました。一羽なので寂寥(せきりょう)感が漂います。

白秘かシンピジウムのほころびぬ

2月20日

季語・・・春蘭(しゅんらん)。
シンピジウム(春蘭属)に蕾がふくらみだしました。拙宅にはピンクと白の2色があります、写真はピンクの方かもしれません。「秘(ひそ)か」と表現してみました。外は雪に覆われていますが、室内に来る光は春の明るさを増しています。

バス停は雪を背負ひて傾きぬ

2月19日

近くのバス停が埋れた雪から姿を現し傾いていました。今年の豪雪に耐えきれず曲がったのでしょう。雪の力は強いのを実感しました。「雪を背負う」と擬人法で表現してみました。

マスクより洩るる五輪の息白し

2月18日

季語・・・マスク、息白し。
北京の五輪会場は寒冷地らしく映像に表示される気温は零下20数度(夜間)と旭川周辺の最低気温と思われます。札幌辺りでは経験出来ない気温に関係者の苦労が窺われます。

日々積みて雪の城塞家を守る

2月18日

お向いのご主人はよく働く方で、拙宅の雪掻きもしてくれます。2月は町内の排雪があるので家の前に排雪用の雪を積み上げてくれました。今年は高く、厚みがあり、まるで「城塞」のようになりました。毎年感謝致しております。

雪の面子に遊ばれて微笑みし

2月17日

拙宅の区画は小・中学校に挟まれているので通学路に学生、学童が多く通ります。新雪の降った朝、グランドの脇の積雪に描かれた模様を発見しました。手形や波型など色々とあり楽しめました。

札幌の市民総出の春除雪

2月16日

季語・・・春除雪。
先週は豪雪の除雪に明け暮れた1週間でした。歩道もやっと確保され(脇道はまだですが…)難渋も解決されつつあります。まさに「市民総出」の除雪でした。

一本の綱渡るやう深雪道

2月15日

車道は少しづつ除雪がゆき届きだしましたが、歩道は未だ手つかずの所が多く踏み固められた道は中央が盛り上がりとても歩きにくくなっています。まるで綱渡りをするかのように両腕でバランスをとりながら歩いています。

眼の魅力高めしマスク外さざる

2月14日

季語・・・マスク。
コロナ禍で全員マスク姿で会話をしていますが、目元が涼しげで目の表現が豊かな人を時折見かけます。今だからこその「魅力高めし」と表現してみました。

ひと粒のバレンタインのほろにがさ

2月14日

季語・・・バレンタインの日。
14日はバレンタインデー、私は甘い物はなくても良い方なのであまり関心はありませんが、随分話題になっているようなので詠みました。「ほろにがさ」の解釈で読み手の読解力が分かれます。

金メダル祝ひ建国記念の日

2月13日

11日は建国記念日、昼に平野歩夢選手の試合運びを見て「内に秘めた闘志」は日本人が持つ「謙虚な立ち振まい」と感動しました。幼い頃からのたゆまぬ努力がなし得た偉業です。

一階の屋根と繋がり雪積る

2月13日

10数年ぶりの大雪で、1階の屋根と車庫と庭の高さが積雪で同じになってしまいました。脚立無しで剪定が出来るので、この時とばかり「バッサリ」剪り落しています。

生活のぬくもりに伸び軒氷柱

2月12日

季語・・・軒氷柱(のきつらら)。
まだ真冬日が続いていますが、日中の光りは明るく気温がプラスになった時、屋根の雪や氷柱が落ちはじめました。寒暖の差があると氷柱も長く伸び、昼間は輝いて奇麗です。

照明の闇を弾いて夜(よ)の氷柱

2月12日

一転、夜の氷柱は照明により色々な表情を見せてくれます。「闇を弾いて」いるようにも見える氷柱を写生してみました。

牙のごと氷柱は壁にかじりつく

2月12日

屋根からせり出してきた雪庇(せっぴ)に出来る氷柱は、内側に曲がり、まるで家に向かって牙を向けているような迫力があります。「かじりつく」と表現してみました。

蠟梅の香りの重さ動かざる

2月11日

季語・・・蠟梅(らふばい)。
雪の句が続いたので花の句を載せます。今年のロウ梅は不作で花数が少なく(植え替えが必要か)華やかさはないのですが、香りが濃く、重さを感じる程の濃密さでした。2週間程家中に香りが漂っていました。

札幌を驚かし去る春吹雪

2月10日

5月からの大雪により札幌の交通網は寸断され(特にJRは9日も運休)市民を驚かせました。除雪もまだ追いついていません。

札幌に雪の回廊出現し

2月10日

会員の話しによると白石区、厚別方面はもっと雪が積もっているとのこと。写真は学園都市線の新琴似駅の裏側(北区体育館)の歩道です。背丈をゆうに超えていて「回廊」のようです。

北京五輪ふはり優勝するスキー

2月9日

季語・・・スキー。
6日のジャンプで金メダルに輝いた小林陵侑選手の映像を見ていて浮かんだ句です。他の選手がゆっくり着地点に降りているのに対し、ふわりと浮き上がってから着地しているように見えました。雰囲気が「ふはり優勝」と捉えました。

雲割りて吹雪に負けぬ朝日かな

2月9日

記録的な大雪から明けて7日は、晴天で重苦しい気持ちも少し晴れました。交通網は寸断され、除雪に追われる1日となりましたが、「吹雪に負けぬ」と大胆に表現してみました。

札幌を鎮める朝日深雪越し

街埋め山河を埋め春吹雪

2月8日

季語・・・春吹雪。
6日、札幌市中央区の24時間降雪量は60㎝で(午後2時まで)最多を記録、JRは7日も終日運休しています。

春吹雪埋(う)もれし家を掻き出しぬ

2月8日

埋もる(うもる)=古語。
住宅街も家の窓が埋もれ、掘りだしたり、除雪に追われています。写真の「カランコエ」の背景の窓も半分埋もれてしまいました。(3度程雪卸しをしましたが…)。

除雪跡すぐに塞いで猛吹雪

2月7日

季語・・・除雪、吹雪。
幹線道路の除雪は行き届いていますが、住宅街の道路脇のは雪が小山のように積まれています。住宅前も朝になると雪が降り積もっています。「塞いで」と表現してみました。

除雪隊去りて直角なる真白

2月7日

札幌も5日午後から雪が降りやまず(6日朝には30㎝以上の積雪)雪に埋もれています。除雪に疲れているのか人の気配が無く静かな日曜日です。「直角」が発見。

気嵐の揺れに凍鶴動かざる

2月6日

季語・・・凍鶴。
立春が過ぎたとは言え、北海道の冬はこれからが厳しくなり、耐えなければなりません。気嵐(けあらし)の立つ厳寒を鶴は一本脚で眠って耐えています。

園児等は雪全身でよじ登る

2月6日

手作りの雪山を園児達は手足、全身を使ってよじ登り、滑ったり、転んだりして遊んでいます。「雪を全身で遊ぶ」うらやましい感覚です。中七に切れのある句またがりの叙法です。

敷物に虹の輪描き日脚伸ぶ

2月5日

季語・・・日脚伸ぶ(ひあしのぶ)。
立春は全天に日が溢れ、春の兆しを感じられる天気でした。
花虎の尾の鉢に日が当り、揚句のような状態になりました。「日脚伸ぶ」は1月の季語ですが、ピッタリと合いますので使いました。写生だけの句ですが発見がありましたので写生と共に楽しんで下さい。

立 春(篆書)

立春の光満ちたる朝なりし

2月4日

季語・・・立春(りっしゅん)。
4日は立春、暦の上では今日から春です。揚句のように「光満ちたる」とはいかない予報ですが、気持ちだけでもすがすがしく暮らしたいものです。

波避けて岩を搔き取り寒布海苔

2月3日

季語・・・寒布海苔(かんふのり)。
布海苔取りは初夏の風景ですが、寒中の布海苔は美味らしく珍重されるのだそうです。厳しい寒さに耐えながらの作業をテレビで放映していました。「岩を掻き取り」が写生です。

コロナ去れ家族の叫び鬼は外

2月3日

季語・・・豆撒(まめまき)、鬼は外、福は内。
3日は節分、冬から春へと移りますが、新型コロナウイルスはまだ去ってくれそうにありません。ウイルスを鬼に重ね合わせて追い出したいものです。教室の子供達にも「豆撒用の大豆」を1袋ずつ渡しました。「叫び」に悲痛を込めて。

流氷の接岸聞けば春隣

2月2日

季語・・・春隣(はるどなり)、春近し。流氷(りうひょう)、海明(うみあけ)。
流氷はは春の季語。知床まで接岸したとニュースで聞きました。日射しに春の兆しがあります。春隣は今頃の季語、立春(4日)からは春の季語に変わります。

寒中に大きく枯れてゐる木立

2月2日

寒中は3日の「節分」で終わります。4日からは「余寒」となりますが、北海道はまだ厳しい寒さの最中。「残寒」の方が実感がありますね。木立の芽吹きもまだ先の話しです。「大きく枯れ」が写生。

東京の寒三日月の閑(しず)けさよ

2月1日

季語・・・寒三日月。
1月30日、東京の夜明け前の三日月です。(写真)夜の9時以降はほとんどの店がシャッターを下ろしていて土曜の夜とは思えない静けさでした。銀座に人影がないのを初めて見ました。(2枚目写真、30日朝9時過ぎ)
「閑けさ」で今の情景を表現してみました。

2022年1月

朝日背に明るく除雪はじまりぬ

1月31日

除雪は辛い仕事(朝は特に)ですが、日射しに明るさが感じられる今頃は、体もすぐ暖かくなり、辛さが半減します。「明るく除雪が始まった」と表現してみました。

卓賑はふオレンジ色の白菜に

1月31日

季語・・・白菜(はくさい)。
先日、「オレンジ色の白菜」を購入して食してみました。芯まで柔らかく美味かったです。新種の野菜が色々と出回る様になってきました。話題も尽きなく賑やかな食卓になります。

美しく庭を狭めて雪やみぬ

1月30日

28日朝、札幌では20~30㎝の降雪があり一面真白の新雪の美しい朝となりました。今年は雪が多く、毎日眺めている庭も雪で覆われ狭くなっています。「美しく狭め」と詠んでみました。

寒雀影ふくらまし賑はへり

1月29日

季語・・・寒雀(かんすずめ)、ふくら雀。
寒さの厳しい時の雀は、羽をふらませて止まっていることが多いのですが、日脚が伸びてくる今頃は少し動きも活発になってきました。まだ「囀る」までにはなりませんが、春が近いことが感じられます。

寒晴に埋もれし車掘り出しぬ

1月29日

季語・・・寒晴(かんばれ)、冬晴。
大雪に埋れてしまった車を掘り起こしていました。周りに積み上げられた雪の多さに驚きます。日射しに明るさが加わってきています。

向ふから譲る会釈や深雪道

1月28日

季語・・・深雪(みゆき)。
雪深くなると歩く道も日々狭まってゆき一本の細い(やっと1人通れる程)道と化します。両方向から行き交う時はどちらか譲らねばいけません。「会釈」により相通ずる、日本人の美徳ですね。

雪山を斜めに立ちて滑りゆく

1月27日

季語・・・雪山。
公園の雪の小山で子供達が遊んでいます。スキーは雪面に垂直に立って滑っているように見えますが、スノーボードは斜めに立って滑ってゆくように見えます。それを写生してみました。

冷え切った闇のぬくもり寒の月

1月26日

季語・・・寒の日。
寒中の夜の闇を「冷え切った」と断定した表現にし、月の色に「ぬくもり」を感じたのでこう詠みました。写真の月の色からの直感です。

窓霜てふ言葉検索寒の朝

1月25日

季語・・・寒の朝。
「窓霜(そうそう)」という熟語を初めて知りました。「氷紋」は知っていましたが違う感じなのだと思います。少し寒(かん)が緩んできた時の窓のようです。
てふ(古語)=という

大氷柱日々の暮しに太りゆく

1月24日

季語・・・氷柱(つらら)、垂氷(たるひ)。
スーパーの厨房脇の氷柱が日々に太くなり大木のように聳えています。「日々の暮し」と形成してみました。軒氷柱は伸びてゆきますが、氷柱の出来る箇所により違いができます。

深雪の奥青み帯びたる神秘かな

1月23日

季語・・・深雪(みゆき)。
先週に降った雪は何故か青みがかっていました。表面は普通の白でしたが、除雪で重なった奥を見ると濃淡のある青色自然の神秘を垣間見る思いでした。

寒卵創作の芽を慈しむ

1月22日

季語・・・寒卵(かんたまご)。
この時期の食べ物には「滋養のある」意味で「寒〇〇」と呼ぶ習しがあります。滋養をつけて(健康が礎)創作に励むの意。創作の芽(ヒント)は感覚を研ぎ澄ませていなければ訪れませんね。写真は1個に双子の黄味が入っていました。

連日の吹雪眺めて花キリン

1月21日

季語・・・雪。
拙宅の花キリンは今、赤色を深めて咲き満ちています。葉は少しづつ落ちはじめていますが、花は咲き続けています。外は吹雪模様なのでまるで「眺めて」いるかのように…。

大寒の日射し冷たき影伸ばす

1月20日

季語・・・大寒(だいかん)。
20日は大寒。1年で最も寒い時期になります。「冷たき影」が創意。弱い日射しながら影は長いのが特徴「影伸ばす」と写生しました。

二階ほど空に近づき雪卸

1月19日

季語・・・雪卸(ゆきおろし)、雪下し。
連日の降雪で屋根の雪が厚くなり、氷柱などの被害を防ぐため雪卸をしている光景を目にすることが多くなりました。雪国では必要な作業です。呉々も事故のない様、注意して下さい。

寒中でも地震(なゐ)の備えを怠らぬ

1月18日

季語・・・寒中。

17日は阪神・淡路大震災から、27年になり震災を語り継ぐ催しが行われました。「寒中でも」に戒めと共に備えの大切さを再確認致しております。

梅散りて紅白の屑まだ奇麗

1月18日

盆梅は四度の登場です。花屑が掃いても色を宿しており、きれいなので詠んでみました。哀れを美意識にできる感覚を養いたいものです。

傾きて愛嬌のある雪達磨

1月17日

季語・・・雪達磨(ゆきだるま)。
16日は、久し振りに穏やかな朝で日に溢れています。これも束の間、気温が下がっていくとのこと、寒明けまでもうひと頑張りですね。雪だるまで微笑んで下さい。「傾き」が俳味です。

雪焦がし願ひまとめてどんど焼

季語・・・どんど焼、左義長(さぎちやう)。
15日は「小正月」、行事としては注連(しめなわ)などのお飾りを燃やす「どんど焼」が神社で催されます。書初めなどを燃す(左義長)と書道が上達するとも言われています。

札幌の凸凹なりし深雪道

1月15日

季語・・・雪、深雪(みゆき)。
連日の猛吹雪に疲れを見せながら生活しています。除雪してもまたすぐ降り積るので大変です。歩道も凸凹になり脚、腰の鍛錬になるでしょうか?疲れます。睡眠を十分に取って乗り切りましょう。

顔にくる寒の嵐の射す痛さ

1月14日

季語・・・寒(かん)。
12日は、一日中悪天候で吹雪混りに強風でした。教室からの帰り道、顔に雪の粒が(気温が高めなので霰のような)正面から襲ってきて難儀致しました。マスクで防御しながらの帰宅となりました。

雪の壁日々高くなり子を隠す

1月13日

年末からの大雪で通学路(写真)の雪の嵩も背丈以上になってきました。学童なら全身が隠れる高さです。この先もっと高くなる勢いです。(12日の朝、札幌でもひと晩で約30㎝の降雪がありました)。今年は除排雪車があまり来ません。車には特に注意したいものです。

首都凍てる滑らぬ歩幅知らぬまま

1月12日

季語・・・凍る(こほる)、凍つ(いつ)、凍む(しむ)。
先週は首都圏に雪が降り(大雪と報じていましたが、雪国から見ればちょっと降った程度)翌朝の冷えで路面が凍っていました。歩行者が次々と転ぶ映像に長靴を履いて歩幅を小さく歩くと滑らないのにとつい進言したくなります。

成長の度合ひは違ふ軒氷柱

1月12日

季語・・・氷柱(つらら)。
寒暖の差により氷柱が伸びてきました。写真のは学校の体育館の氷柱です。「成長の度合い」は人により違うものです。「氷柱かな」でもよかったですね。

除雪車の夜に働く燈(あかり)とも

1月11日

季語・・・除雪車、除雪。
灯りを点し夜中に除雪に従事している方々を見る時、「ご苦労様です。助かっています」と言いたくなります。「夜に働く」にその思いを込めました。「燈」は本字で書きたいですね。

成人の日肌更に輝きぬ

1月10日

季語・・・成人の日、成人式。
10日は成人の日、新成人の皆様おめでとうございます。新調のスーツ、晴れ着も輝いていますが、顔の輝きは若さの証し、でも今はマスクで隠されていますので「肌」と詠みました。特に雪国の人達の肌はキメが細く美しいです。

雪吊の枝を繰り動かざる

1月10日

季語・・・雪吊(ゆきつり)。
雪吊は遠目に枝を操(あやつ)っているように見えませんか。雪を被るとその重さで縄がピーンと張ります。雪が解けるまでは、枝を守る覚悟と見ました。

すでにもう着ぶくれてをり寒の入

1月9日

季語・・・着ぶくれ、寒の入。
5日が「小寒」だったので、今は寒中ですが、昨年末から厳しい寒さが続いていましたので今更というのが実感です。20日の「大寒」まで尚一層、身を引き締めて暮さなければと思っております。「すでにもう」にこの気持ちを込めました。

橇降りて軽さを引いてまた登る

1月9日

季語・・・橇(そり)。
寒中でも子供達は元気に外で遊んでいます。写真の風景を写生しました。

現代や買初電子決済で

1月8日

季語・・・買初(かひぞめ)、初買。
松の内も過ぎましたが、私の買初は電子決済でした。おととい小銭で密柑を買ったのが買初になるのか紛らわしいですね。昨年から小売りの店は正月休みを長くとっています。

風雪になぶられ通し飾取る

1月8日

季語・・・飾取る、飾納(かざりおさめ)。
正月の飾りを取るのは地域により違いはありますが、7日前後か15日前後に行います。今年は風雪の強い日が多く拙宅の飾りも歪んでしまいました。「なぶる」日常使わない語彙を使って正月の風雪の強さを表現してみました。

乾燥の七種足して椀の粥

1月7日

季語・・・七種粥(ななくさがゆ)。
今はインスタントの七種粥があるので簡単ですが、無理して七種を揃えなくても清白(大根)だけでもよいのだそうです。松の内も空けるので普段の食生活に戻りましょう。

外燈に吸ひ込まれゆく夜(よ)の吹雪

1月7日

季語・・・吹雪(ふぶき)。
電柱などの外燈の下で吹雪を見上げると闇に紛れて見えなかった雪が灯にはっきり見えます。まるで灯に「吸ひ込まれ」てゆく様にと表現してみました。

初芝居見るテレビ吾(わ)と同い歳

1月6日

季語・・・初芝居(はつしばゐ)。
正月はゆっくりと過せましたか。私は原点回帰か、書作と芸術、スポーツ観戦など好きな事に時間を費やすことが出来ました。元日のニューイヤーコンサート、二日の歌舞伎、玉三郎の鷺娘、三日のオペラとテレビをよく見ました。テレビの誕生は昭和28年で、私と同じです。

紅白の盆梅おめでたさ醸す

1月6日

拙宅の盆梅は満開を過ぎ散り始めました(3度目の登場です)。紅白でおめでたい色ですので松の内に今いち度、詠んでおきます。「醸(かも)す」深さがあり良い語彙ですね。背景の雪の深さが今年の特徴です。

地吹雪や仕事始の滞る

1月5日

季語・・・仕事始、地吹雪。
4日が仕事始めという方は多いのではないかと思います。札幌は朝から地吹雪模様で出勤時に苦労された方が多かったのではと推察致します。「滞る」にその気持ちを込めました。

雪被り車小さく凍(こご)えゐる

1月5日

季語・・・雪、凍る(こほる)。
年末から雪が降り続いており、厳しい年明けになりました。揚句は「車」ですが、人間も縮こまって生活しています。

書初の墨痕鮮かに御座(おは)す

1月4日

季語・・・書初(かきぞめ)、試筆、筆始。
2日から、日常の生活に戻る準備をしますが、今年初めてする事に「初」を付けて「ぞめ」と読ませます。書き初めなど書き終わった作品を貼って見る時、誕生した作品に敬意を感じます。「ある」の古語を使ってその気持ちを表現してみました。

駅伝の襷は二日三日継(つ)ぐ

1月3日

季語・・・元日、二日~七日まで。
健やかに新年をお過ごしのことと存じます。箱根駅伝が読売新聞社前をスタートしました。ラジオで実況を聞きながら中継所と見せ場をテレビで見るのが私の観戦のやり方です。今年はどの様な感動のドラマが生まれますか。
元旦は吹雪模様で初日は拝めませんでしたが、2日に一瞬閃光が見えました。写真を載せておきます。

お降りの白妙の雪鷺一羽

1月3日

季語・・・御降(おさがり)=元日に降る雨か雪をいう。
「お降り」があると富正月といって豊穣の前兆とされるので、今年は良い年になるでしょう。近くの安春川に鷺(ダイサギ)が一羽、餌を啄んでいました。これも良い事がある前兆でしょうか。

共存の道やコロナ禍初昔

1月2日

季語・・・初昔(はつむかし)、去年(こぞ)。
新年になり旧年はもう昔、季語に初昔があります。コロナ禍は今年も続きますが、「共存の道」を探りながら慎重に生活していきましょう。「や」の切れ字により句またがりの技法でコロナ禍は昔と言い切りました。

吹雪なか初刷既に働けり

1月2日

季語・・・初刷(はつずり)=元旦の新聞をさす。
時々吹雪く生憎の天気で年は明けました。暗いうちに届いていた朝刊は多くの人により悪天候でも届きます。「初刷が働く」表現、「既(すで)に」に感謝の気持ちを込めて詠みました。

一途さは若さの秘訣去年今年

1月1日

季語・・・去年今年。
一瞬にして旧年と新年が入れ替わりました。新年おめでとうございます。皆様にとって今年が健やかな年であります様、ご祈念申し上げます。「好きな事を一途に(努力して)成す」これが私の活動の源、去年今年に拘らず書き続けてまいります。