季語の感じ #30「神無月」
11月の異称。この月、八百万の神々が出雲大社に集まり出雲以外では神がいなくなることからこの名がある。
あるいは雷のない月だからとも。
季語の感じ #29「秋麗」しゅうれい・あきうらら
秋晴れの、太陽がまぶしい程の日をいう。春の「麗か」を思わせ、冬が来ることをふと忘れさせる美しさを感じる。
季語の感じ #28「夜長」
秋分を過ぎると昼よりも夜の時間が長くなる。実際に最も夜が長いのは冬至の前後ではあるが、夏の短夜のあとなので、夜が長くなった感が強い。
季語の感じ #27「案山子」かかし
令和の米騒動も新米が出回り落ち着きましたが、価格が高く辟易しています。
稲作を見守ってきた案山子は役目を終えました。
季語には「捨案山子」というものもあります。
季語の感じ #26「葉月」はづき
旧暦八月の異称。由来は諸説あるが、木の葉がようやく色づく月だからとも。
季語の感じ #25「新涼」しんりやう
秋になって、実際に感じる涼しさ。まさに今の札幌の風情。
新涼や膚蘇る気力まで
季語の感じ #24「暑中見舞」しょちゅうみまひ
暑中に知人などの安否を尋ね、訪問したり手紙を出すこと。
昔は土用の習慣だったので、土用見舞、夏見舞ともいう。
季語の感じ #23「片蔭」かたかげ
炎天下、建物や塀などにそって道の片側にくっきりとした日陰ができる。
道行く人は暑さを避けて、その陰になった所通ったり、そこで休んだりする。
※「片陰」の動画は運筆速度を遅く加工してあります。
片陰の午前と午後のはるか街
片陰に寄りて会話を動かせり
季語の感じ #22「梅雨」つゆ
6月初旬から7月下旬まで梅雨前線は各地に停滞する。(北海道でははっきりとは現れない)
梅の実が熟すころなので梅雨という。黴雨(ばいう)ともいう。
※揮毫動画は運筆が速いので少し遅く書こうしてあります。
傘立てに収まらなぬ数梅雨の傘
季語の感じ #21「南風 みなみ、はえ)
夏は南風が吹くことが多い。地域によってさまざまな呼称がある。
「はえ」「まぜ」「まじ」など
梅雨時の暗く湿ったのを「黒南風 くろはえ」
梅雨明けの明るいのを「白南風 しろはえ」という。
※動画は運筆が速いので意図的に遅くしてあります。
南風吹いて札幌ちょっと夏に触れ
季語の感じ #20「鶯 うぐひす」
春告鳥の名があるように春を告げる鳥だが、気温の上昇にともない冷涼な地帯に移動する。
北海道、東北では夏鳥とされる。
その年の初めて聞く鶯の声を「初音 はつね」という。
旅にゐて空耳かいや又初音
季語の感じ #19「蜃気楼」
蜃気楼は例年4月~7月、海水温と気温の差が大きくなり、光が屈折することで起きる。
蜃は大蛤の義で、昔中国では蛤が気を吐く現象と考えた。
大まかに街を浮かべて蜃気楼
14日、石狩湾に蜃気楼が出現した。
小樽沖では、この時期高島岬が蜃気楼になって見えるので古来「高島おばけ」と呼ぶ。
季語の感じ #18「鳥曇」
雁・鴨などの渡り鳥が春になって北方へ帰っていく頃の曇り雲。
「暗雲を晴らしに帰る鳥曇」
自然の力で彼の国の非道を戒めて下さい。
季語の感じ #17「花冷」
桜の咲くころの冷え込みをいう。
「花冷」(はなびえ)の季語がもつ美しい響きが好まれる。
季語の感じ #16「霞」
春になると水蒸気が立ち込め、空の色・野面・山谷など遠くのものが霞んで見える。
季語の感じ #15「朧」
春は大気中に水分が多いので万物が霞んで見える。
その現象を夜は「朧」、昼は「霞」という。
季語の感じ #14「春暁(しゅんげう)」
春の夜明け、「春の曙」と「秋の暮」は、日本詩歌の春秋二題です。
「春暁や今日の佳き事ある色に 秋亭」
季語の感じ #13「余寒」
寒が明けてからの寒さで「残寒」ざんかんともいう。
まだ寒さが残っているという感じ。
2024年は暖気の後に強い余寒が長く続き心身に堪えます。
季語の感じ #12「三寒四温」
この季語は厳寒のころ、三日寒い日が続くと四日暖かくなるという冬の季語ですが、北海道では今の時期が合っていると思います。
春が一進一退という意味ではありません。
季語の感じ #11「春隣」
立春前の今頃、寒晴で日射しが多い日などは一層この感じがします。春が近いと思うだけでも冬の辛さを我慢できますね。
季語の感じ #10「冬麗」
今週の前半は雪が降り続き、除雪に苦労しましたが、後半は穏やかに晴れ渡り(寒晴)春の「麗か」を思わせるような日差しで、寒さが続く中にあって恵みのように感じられる。
季語の感じ #9「虎落笛」
柵や竹垣などに吹きつける冷たく強い風が発する笛のような音をいう。
哀しみや寂しさを感じる季語。ふと、能登半島の心情を慮る。
季語の感じ #8「寒風」
寒中の風は特に厳しく吹きますが、これを利用して寒晒、寒風干しなど暮らしに趣きを加えます。
※バックミュージックは高1、荒谷光希君のトランペット演奏です。
季語の感じ #7「初春」
新年のこと。旧暦では初春といえば新年のことであったので、新暦になってもその習慣が残っている。
他に「新春」「迎春」「明の春」も同意。
季語の感じ #6「年越」
季語の感じ #5「一陽来復」(冬至の別称)
22日は「冬至」で、今が一番夜が長く短日です。
明日から陽が少しづつ長くなるので「一陽来復」の別称があります。
寒さはこれからが本格的になるので南瓜など栄養価の高いものを食べて冬を乗り切ろうとの風習があります。
季語の感じ #4「煤払い」
新年を迎えるために、年末に家屋・調度の塵埃を掃き清める風習。
寺社などは13日に行うが、大晦日近くに行う家が多い。
季語の感じ #3「羆」
羆(ひぐま)北海道に生息する。本州に生息するのは「月の輪熊」です。今年は熊が市街地に出没して多くの被害が出ました。
教室の年末企画「今年の漢字」でも3名程が「熊」と書きました。
季語の感じ #2「師走」
旧暦12月の異称、極月(ごくげつ)とも言う。
新暦の名称でも通用。僧(師)が馳せ走る月だとか語源には諸説がある。
季語の感じ #1「神無月」
旧暦十月の異称。新暦の11月にあたる。
この月、八百万(やおよろず)の神々が出雲大社に集まり出雲以外では神がいなくなるのでこの名がある。
出雲では「神在月」という。